高1~3年 必読!! 2022年度 大学入試 お役立ち情報【親子の学びガイド】

『情報』を制する人が、『受験』を制します。

今回は2022年度 大学入試について、これまで分かっている情報についてお伝えしていきます。
高校3年生の人は、約70日後『大学入学共通テスト』からはじはる1ヵ月余りの「大学入試」本番にむけて確認のために読んでください。
また高校2年・1年生の人は、「自分が受験をするとき」に備えて読んでください。
大学入試の制度は毎年、少しずつ変わります。その変化を確実に捉えてほしいと思います。

余談ですが、2022年 4月 『高等学校学習指導要領』が改訂されます。
これに伴い『新しい教育課程』に基づいた授業がはじまります。
詳しくは次回以降、お伝えをすることになりますが、来年4月、高校に入学する中学3年生が、大学受験をむかえる2025年度 大学入試。
「情報」・「公共」という教科が大学入試共通テストの必須教科となります。
理系科目では「数学Ⅲ」が復活します。
このように、2025年度大学入試にむけて2023年度、2024年度の大学入試も緩やかに変化をしていくと予想されます。
高校1年・2年は“現役合格”を第一目標に置いて、今からお伝えする情報をうまく活用してほしいと思います。

2022年度 共通テスト 出願状況と私立大学入試の振り返り
出願者数 501,981人。前年度より12,670人減少!?

10月7日、大学入試共通テストの出願最終日。
出願者数は 501,981人となり、2021年度出願者数 514,651人と比べ、12,670人減少しました。

内訳をみると、高校卒業見込み者(現 高校3年生)が 433,491人。
2021年度 440,555人から7,064人減少しました。
一方、高校卒業者(既卒生)は2021年度74,096人から5,606人減少して68,490人となり、減少率(約8%)が高くなりました。

受験人口が本格的に減少してきたことに加え、2021年度入試では私立大学で合格者数が大幅に増加しており、競争緩和の様子が色濃く表れていました。
これにより2022年度の既卒生が減少したと考えられます。

尚、2022年度の大学入学共通テストでは、本来、本試験の1週間後に実施される追試験が、新型コロナウイルス等に罹患した志願者の受験機会を確保するため2週間後に設定されました。
また追試験の会場は2022年度も全47都道府県に設置されます。
共通テストの確定志願者数は12月上旬に発表されます。

2021年度 私立大学は『定員割れ大学』の割合が大きく上昇

2021年度の私立大学・短期大学の入学志願動向の調査結果が、日本私立学校振興共済事業団から発表されました。
志願者数は、大学・短期大学ともに大きく減少。
合格者数は大学で2020年度に引き続き増加、短期大学では減少しました。

2021年度の私立大学の延べ志願者数は3,834,862人となり、前年から53,300人減少(前年比87.8%)しました。

2021年度は受験人口の減少に加えて、コロナ禍での入試となったため、感染拡大に対する懸念や、家庭の経済状況悪化により出願校を絞った受験者が例年以上に多かったと考えられます。

一方、合格者数は1,437,906人となり、前年から90,000人増加(前年比106.6%)と大きく増加しました。
各大学が入学者を確保するため、多くの合格者を出したものと考えられます。
規模別に状況を確認すると、入学定員1,500人以上の大規模大学で合格者数が大きく増加した一方、入学定員400人未満の小規模大学では合格者数が減少しました。

なお、合格者数は増加したものの、入学者数は494,213人と前年から9,600人減少しました。
入学定員は増加しているため、定員充足率は99.8%。
100%を下回りました。

私立大学における定員割れ大学の割合は、2016年度 45%から2020年度 31%と下降を続けていましたが、2021年度は46%まで大幅に上昇しました。
前年までの定員割れ大学の減少は定員超過のペナルティが厳格化されたことで、都市部の大規模大学を中心に定員超過が是正されたためで、その結果、他大学の入学者数が増えていました。
2021年度は志願者の減少幅が大きかったため、入学者の確保ができなかった大学が増えたと考えられます。

さらに注目すべき点は、定員充足率が80%未満の大学が増加していることで、入学定員100人未満の小規模大学では全体の40%が該当します。

東京、京都、大阪など都市部の定員充足率は100%に近い数値になっていますが、北陸や九州などでは定員充足率が100%を割りました。
中国・四国も広島を除いて定員充足率は87.2%と低さが目立ちます。

学部別では歯学・薬学で定員充足率の低さが目立ちます。

歯学系 定員充足率75.8%、薬学系 定員充足率88.6%と低い割合となっています。
近年、歯学系・薬学系は定員割れが続いていましたが、2021年度入試ではこれまで以上に入学者が集まらなかったとみられます。

このほか農学系96.4%、家政学系94.1%、教育学系94.4%、国際系の学部は92.3%から96.7%と定員充足率がやや倍率(志願者数÷合格者数)は、すべての学部系統が2021年度から1.0ポイント以上のダウンとなり、競争緩和の様子がうかがえます。

2022年度 大学入試はすでにはじまっています。
国公立大学の進学を目指している受験生、私立大学の受験生の方も、今の受験勉強の軸足は『大学入学共通テスト』で1点でも多く得点することを目標にしてください。
そして二次試験(個別試験)の受験科目の対策、受験を予定している私立大学の過去問演習を適時混ぜて、勉強を進めてください。
健闘を祈っています。

Practice mskes Perfect !~継続は力なり~

文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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