高校生の歩き方~定期テスト&実力テストの心構え~【親子の学びガイド】

高校生の7割は学習計画を立案、しかし計画の達成は・・・

高校生の定期テストは、中学生より範囲が広く、難易度も高くなります。
上手に定期テストの勉強計画が立てられず、準備不足になったり、苦手な教科・分野は後回しにしたり・・・。
定期テストの勉強に苦労している高校生は多いのではないでしょうか。
さらに、定期テストと定期テストの間に「実力テストや外部模試」があると、いつ、何を、どのくらい、どうやって勉強していいのか分からずに、「今の実力を試すテストだから・・・」と割り切ってしまい、準備もそこそこにテストを受けて、思わぬ結果に肩を落とす・・・そんな高校生も多いと思います。

今回の「きずなネット 学び」では、高校生のための『定期テスト&実力テストの心構え』をお伝えします。

今までの自分の勉強方法をはじめ、友達や先輩のやり方を真似た勉強法、先生からアドバイスされた勉強法など・・・いろいろと試してきた人。
やり方をあれこれ考える前に、自分の芯の部分、それぞれのテストに向かう心構えをここでの情報をもとに、振り返ってください。
そしてあらためて、自分に合う勉強法を取捨選択して行動に移してください。
徐々に自分にピッタリの勉強法が確立されてきます。
さらに、知識を定着させる勉強法、印象付ける勉強法、スキマ時間の勉強法など新しい方法が見つかります。
そして、これからの定期テストや実力テストが結果もさらに良くなっていくと信じています。

部活や課外活動で勉強時間が限られているのは、どの高校生も同じです。

勉強時間を確保して実現可能な計画を立案することからはじめよう!!

『約4分の3の高校生が学習する際に計画を立てる』が、『計画を達成できる生徒は2割に満たなかった』という調査結果が発表されました。
この調査は全国統一高校生テストを受験した8万5312人を対象に回答を得たものです。

Q.学習計画を立てるか。
A.計画を立て達成できる
3年18.2% 2年14.4% 1年15.7%

A.計画を立てるが達成できない
3年58.2% 2年57.1% 1年53.8%

どちらの回答も学年が上がるにつれて、高まっています。

A.計画は立てない
3年 12.2% 2年16.7% 1年17.9%

A.計画を立てたいが方法が分からない
3年11.4% 2年11.8% 1年13.1%

この回答は、学年が下がるにつれて、高くなっています。

具体的にいつ、何を、どうやって勉強をするのかという日々の計画の立案、計画達成のための行動を継続してトレーニングできていない現状や、将来の目標、その先にある進路、やりたいことを見つけられないまま、テストに向かっていると考えられます。

Q.学習計画を立てる際に困ることは
A.計画を立てた後にモチベーションを保つ自信がない
3年56.8% 2年54.6% 1年52.1%

A.目標はあるが、具体的に何をすべきか分からない
3年26.5% 2年19.1% 1年20.6%

その他、高校1年・2年にみられた回答として「部活や課外活動との両立が難しい」という回答が約18.0%ありました。

これらの回答を分析すると・・・
部活や課外活動で勉強時間が限られているのはどの高校生も同じです。
時間が限られていることを理解して、学習時間を確保し、実現可能な計画を立案し、それを達成するための行動を継続的に行っていく。
その中で自分にフィットするように改善していくことで、自分が立案した計画を達成できると思います。

定期テストは『大学受験に影響』する!?

大学入学 共通テスト内容は難しいものが多いというイメージを持っているかもしれませんが、出題範囲の約8割は高校1年・高校2年の学習範囲です。高校3年になってから慌てて受験対策をはじめるのではなく、1年生から定期テストのタイミングを活かして、コツコツと既習範囲を定着させていくことが志望校合格への近道となります。

近年の国公立大学の2次試験(個別学力検査)や私立大学の一般選抜試験は、記述式で行われることが多くなっています。
記述式では「ただ正解を書けばよい」というわけではなく、「どのように考えて答えを導いてきたのかという過程」を正しく記述できているのかが採点の対象となります。
受験対策でもこの「記述力」の養成が重要なポイントになります。
中学校の定期テストに比べて記述式の割合が多い高校生の定期テストこそ、大学入試に必要な「記述力」を養う絶好の機会になります。

実力テスト・外部模試は『そのときまでを振り返る材料』です。

実力テスト・外部模試の得点や順位が、定期テストの得点、順位と大きく異なる人が多いのではないでしょうか?

定期テストの得点は大体80点以上を取ることができているのに、実力テストや模試になると途端にできなくなってしまう・・・。

これは『わかる』と『できる』の違いです。
この『わかる』と『できる』の間はとても広く、大きな差があります。

定期テストは〈インプット〉が中心の勉強。
このインプットしたものを正しく出力できることが定期テストの得点につながります。
つまり、問題を正しく読み解き『わかっている』のを測るのが定期テストです。

実力テスト・外部模試は、定期テストで〈インプット〉した知識を複合して問題が作られている為、問題を正確に読み解き、必要な知識を正しく活用する、つまり『できる』か、どうかを試すものです。

多くの高校では実力テスト、模試の前に過去問がもらえるところもあります。
その過去問で「今、わかっているもの」「わかっていないもの」を捉えて、どの部分の知識が足りなかったのか、この問題はどの知識を合わせたら『できる』のかを検討し、その部分に絞って知識をインプットし、活用できるようにしていくトレーニングを繰り返していくことが大切です。

定期テストで細かいターム(期間)で1つでも多くの知識の「インプット」をする。

実力テスト・模試で「アウトプット」をして、少しでも長く「本当の知識」として定着しているかの確認をする。
このサイクルを行う為の『実行可能な計画』の立案と具体的な行動、確認の積み重ねこそが『目標』の実現につながります。

社会人では、上記のことを『PDCAサイクル』(Plan〈計画〉→Do〈実行〉→Check〈測定・評価〉→Action〈対策・改善〉)と言われ、企業の生産性の向上、企業のパフォーマンスの最大化につながるマネジメントの概念としてよく使われています。

これからの定期テスト・実力テスト・外部模試で、キミの生産性がどんどん向上していき、パフォーマンスが最大化され、『目標』の達成に役立つことを期待しています。

文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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