中学2年 必読!! 愛知県 公立高校の入試制度が変わります 2【親子の学びガイド】

新制度は、一般選抜、推薦選抜、特色選抜の3パターン!!

現在の中学2年が高校に入学する令和5年度(2023年度) から、愛知県の公立高校の入試制度が大きく変わります。
第一報として6月に、この『きずなネット 学び』のところで、新しい制度の方向性、4つのポイントについて説明をしました。
今回は、9月 15日(水)に愛知県教育委員会より発表された内容についてお伝えしていきます

説明をはじめる前に、これまでの経緯を少し振り返ります。

昨年の愛知県教育委員会での入試改革 検討の骨子では、
中学生の成長や自己実現にとってより望ましく、多様なニーズに対応できる制度とすること、また、時代や社会の状況に即した、より合理的な制度とすることが大切である。
(愛知県公立高等学校入学者選抜制度の改善に関する検討会議より)

この検討会議を経て、5月に 『公立高校の入試制度が変わります!』と題したリーフレットが愛知県教育委員会より発表されました。

令和5年度からの入試制度のポイントは4つ
① 一般選抜の学力検査の回数が【2回から1回に】
② 推薦選抜はこれまでよりも【早い時期】に実施
③ 一般選抜で面接を実施するかどうかは【高校ごとに決定】
④ 高校や学科の特色を生かした【特色選抜】を実施
9月に発表された内容は、これら4つのポイントを具体的に示したものになりました。

あらためて現在 中学2年から下の学年の子どもたちは新しい入試制度に備えて、どのような準備をはじめていけばいいのか?
どのような心構えをしていかなければならないのか?

この後、詳しく解説をしていきます。

目標を定め、1日でも早く動きはじめる! それが新高校入試!!
自己実現の第一歩は『目標』から『やる気』を最大限に引き出すこと!!

令和5年度 愛知県公立高校入試に向けた愛知県 公立高校全体の取り組みとして、令和4年度に各高校が『スクール・ポリシー』を策定します。
このスクール・ポリシーは、その高校が目指す学校の在り方や“求める生徒像”などを示すものです。

各高校の『スクール・ポリシー』が土台となり、これから説明する新しい入試制度の在り方が具体的に決められていきます。9月の発表で決められたことは、
1、一般選抜における校内順位の決定方式について調査書の評定得点と学力検査 合計得点の比率は、
Ⅰ 評定得点〈45×2〉+学力検査 合計得点〈110点>=200点
Ⅱ 評定得点〈45×2〉×1.5+学力検査 合計得点〈110点〉=245点
Ⅲ 評定得点〈45×2〉+学力検査 合計得点〈110点〉×1.5=255点
の今までの比率に加えて、
Ⅳ 評定得点〈45×2〉×2+学力検査 合計得点〈110点〉=290点
Ⅴ 評定得点〈45×2〉+学力検査 合計得点〈110点〉×2=310点
の5通りとなります。

この決定方式でどのパターンで一般選抜を行うのかは、各公立高校が決めます。

この決定方式で令和5年度の入試から考えられることは、今まで以上に「学力を重視する」高校と「内申点(通知表)を重視する」高校が増える可能性があるということです。

2、特色選抜について
推薦選抜では中学校長の推薦が必要なのに対し、特色選抜は「中学校長の推薦を不要」として、受験生自らの得意分野をアピールする「自己推薦」の形式がとられます。
この選抜を実施する高校・学科及び出願できる生徒は、
●農業・工業・商業・水産・家庭・看護・福祉に関する学科
これらの学科の特色ある教育内容を理解し、その教育内容に関連する明確な進路目標とその高校・学科で学習する強い意欲を有する生徒

●理数・体育・外国語・国際教養に関する学科及び総合学科並びにコースを設置する特色ある教育課程を有する普通科
自然科学、人文・社会科学・スポーツなど特定の分野で優れた能力と顕著な成績を有する生徒

●地域に根差し、地域貢献を特色とする高校
その高校で学習する強い意欲と地域社会に貢献する意志を有する生徒

とされ、入学検査は面接が必須。
作文、基礎学力検査、プレゼンテーション、実技検査のいずれか一つを実施。
出願に際しては、入学願書、調査書のほか「志願理由書」の提出が必要となります。

志願理由書は、受験者自身がその高校の「スクール・ポリシー」に合致していることを具体的な資料(大会の結果、資格など)に基づいて作成することが求められます。

特色選抜と一般選抜は併願が可能です。
本気でその高校で頑張りたいと考えている生徒にとっては受験のチャンスが増えることになります。

『今』からやるべきことは?

令和5年度からはじまる入試制度は、一般選抜・特色選抜・推薦選抜(今まで通りの手順・出願)の3本柱で行われます。

入試方法の詳細や各高校がどのような選抜方法を選んで実施するのかは、今後、順次、発表されます。

今、私たちがわかっていることは、
①一般選抜の学力検査の回数が【2回から1回に】なること
②校内順位の決定方式が【5パターン】になり、『内申点重視』型や『得点重視』型など新しい方式を選択する高校が出てくること
③特色選抜で『自分をアピールできる』材料を用意すること。

これら①から③までを『準備』していくためには、本気になって将来を見据えた『目標』を設定し、その『目標』にたどり着くための具体的な行動を1日でも早くはじめることだと思います。
『得点』を伸ばしたい!! そのための知識の習得は絶対に必要なことです。
そしてこれは『受験生』の意識が芽生えたときから、コツコツと入試の前日まで時間をかけて、多くの問題に取り組んでいくことです。

また『内申点』を伸ばすためには “日常の学校の授業、学校の課題”に真剣に、前向きに取り組むことです。

そして、部活動をはじめとした諸活動に積極的に取り組むこと。
部活動以外の活動、たとえば英検など様々な検定にチャレンジすることが大切だと思います。

そう、純粋に自分の『目標』に立ち向かう姿勢が大切なのです。

今、“多様化、多様性”という言葉をよく耳にします。

令和5年度からの愛知県 高校入試はまさにこの “多様化・多様性”を示す入試になると思います。
いろいろな受験の仕方。志望校合格のための様々な方法。自分の強みを最大限に引き伸ばした成果・・・。
子ども一人一人が自分を活かせる入試になると思います。

『目標』はやる気を最大限に引き出します。そして子どもは、あることをきっかけに、私たち大人が思う以上の成長を短期間でします。

あらためて親御さんへのお願いです。
学校や地元の塾、教育委員会のホームページ等で新しい入試制度の情報を収集するだけではなく、その情報をもとに、お子様と高校や大学、就きたい仕事のことなど、お子様自身が、自分の少し先の姿がイメージできるお話をご家庭でして頂けると、子どもは素直に、真面目に応えてくれます。
そしてお子様をしっかりと応援してあげてください。
きっと、お子様はその期待に応えよう とさらに頑張ります。

子どもの可能性は無限大ですから。

文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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