意外とかかる大学受験費用。出願するだけでも・・・。
9月27日(月)から令和4年度 「大学入学 共通テスト」の出願がはじまります。
今回は『大学受験』にかかる費用について、高校生をお持ちの親御さん、高校生のみなさんといっしょに見ていこうと思います。
出願するだけでも20万円!?
受験にかかる費用として、受験料・交通費・宿泊費などが挙げられます。
このうちの受験料の目安は・・・
● 大学入学 共通テスト 3科以上18,000円 2科以下12,000円(成績通知を希望する場合800円)
● 国公立大 2次試験(個別学力検査) 前期・後期各々平均17,000円
● 私立大学 一般入試受験料 1校・1学部平均35,000円
● 私立大学 共通テスト利用型 1校・1学部平均10,000円~20,000円
● 私立大学 医学部受験料 1校平均50,000円~60,000円
● 私立大学 医学部 共通テスト利用 1校平均30,000円~45,000円(AO入試、推薦入試は除く)
たとえば、名古屋市在住 国公立大学2校・私立大学5校に出願した場合、
大学入試 共通テスト 受験料18,000円
国公立大学 2次試験 前期・後期分17,000円×2校=34,000円
私立大学 5校分受験料35,000円×5校=175,000円
受験料 合計227,000円となります。
その他、交通費や遠方の場合は宿泊費などが必要になります。
学費の準備はしていても、受験料まではなかなか気が回らないものですが、出願するだけでもこれだけの出費になります。
この後、入学時・大学生活に関わるお金について詳しく見ていきましょう。
大学で学ぶための必要経費。
学びは「贅沢」ではありません。
入学時にかかる費用は?
見事、大学に合格した後に必要となるのが「初年度納付金」です。
合格しても指定期日までに納めなければ入学は認められません。
初年度納付金の内訳は・・・入学金・初年度授業料・施設設備費・実験実習費・諸会費などですが、このうち入学手続き時に納入するのは、【入学金と前期分の授業料】というのが一般的です。
多くの私立大学では、他大学と併願している受験生のために、入学手続きを2段階に分けています。
その場合、1次手続きで入学金相当額を「入学申込金」として納入し、2次手続きで残額を納入するパターンが多いようです。
もしこれらの入学手続きをすべて済ませた後で、補欠合格等で入学を辞退したくなった場合、納付金(授業料等)返還については、「3月31日までに入学を辞退すれば、入学金を除く学納金を返還する」としている大学が一般的です。
大学生活にかかる費用は?
大学生には授業料、その他の学校納付金、修学費、課外活動費、通学費といった学費も必要ですが他に生活費もかかります。
独立行政法人日本学生支援機構の調査によると、平成30年度の一人暮らしの大学生(昼間部)の学費の平均額は、110万9600円。
1年間にかかる学費と生活費を合わせた総支出の平均額は221万1000円に上ります。
大学の種類別にみると私立大学の学生は、学費が国立大学や公立大学に比べて年間平均70万円以上も高いため、年間の支出は平均で約250万円となっています。
<一人暮らしの大学生の1年間の学費と生活費>( 独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」より)
次に一人暮らしをする大学生の生活費について、その平均額を見ていきましょう。
独立行政法人日本学生支援機構が全国の大学生を対象に行った「平成30年度学生生活調査」によると、下宿やアパートなどで一人暮らしをしている大学生(昼間部)の1年間の生活費の平均は、前回の調査(平成28年)に比べて1万6300円多い、111万1400円でした。
月額に換算すると、大学生の一人暮らしには毎月平均約9万2600円の生活費がかかっていることになります。
なお、大学の種類別の1年間の生活費の平均とその内訳は次の表のとおりです。
<一人暮らしの大学生 大学種類別 生活費の内訳と1年間の平均支出金額>(独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」より)
一人暮らしの大学生の1年間の収入とその内訳について見てみましょう。
同じく独立行政法人日本学生支援機構の「平成30年度学生生活調査」によると、一人暮らしの学生の1年間の収入は平均230万1200円。
そのうち約65%を占めているのが家庭(実家)からの給付(年間平均149万3600円)でした。
<一人暮らしの大学生の1年間の平均収入>(独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」より)
現状、コロナ禍での大学生のアルバイトはこの調査結果よりはかなり少なくなっていると考えられます。
大学進学を志した瞬間から、自分の将来について真剣に考える!!
前回の『文理選択』のとき、「高校1年の文理選択は、大学で学ぶ分野や受験する学部と関わってきます。」とお伝えしました。
そして「今後学んでいく分野を決めることは、大学進学だけではなくその後の人生にも影響する。」ともお伝えをしました。
「こんなにお金がかかるなら、受験なんかしない。」「受験なんかさせない。」と思わないで下さい。
むしろ、これだけの費用がかかるからこそ、真剣に自分の将来について考え、周りの人にも相談をして下さい。
そして、大学生活も高校生以上に全力で送る志を立ててください。
そして、その瞬間から目の前にある日々の勉強、課題に真剣に取り組んで下さい。
「1日でも早くはじめる、それが大学入試」私の塾の高校生 キャッチコピーです。
結果がすべてではありません。
結果にむけて取り組んだ姿勢、その時のものの見方、考え方が大切なのです。
これを読んでくれた方が、自分や家族が納得できる、協力し合える『大学受験』の第一歩になれば、その一助になれば幸いです。
文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。