高校1年のキミへ。文系・理系どっちを選びますか?【親子の学びガイド】

「大学での学び」「将来の仕事」に関わる大事な選択!!

普通科高校の1年 後半は、文系・理系コースに分かれる「文理選択」を決める大切な時期。
どちらを選べばいいのか悩んでいる高校1年、決めたけど本当にあっているのかなぁと自分の決定に揺れている高校1年は多いと思います。
今後学んでいく分野を決めることは、大学進学だけではなくその後の人生にも影響するという意味で大変重要です。
今の教科の好き・嫌い、目先の受験だけにとらわれるのではなく、しっかりと情報収集をして、周囲の人にも相談をしつつ、じっくり検討することが大切です。
「文系と理系の違い」を知り、自分はどちらに合っているかを考えることで、自分が納得できる進路選択をすることができるかもしれません。

あなたは「文系思考」・「理系思考」のどちらですか?

人間には「文系思考」と「理系思考」があります。
「文系思考」は、ものごとを複雑に表現することを好み、「理系思考」は、ものごとがシンプルで規則正しいことを好みます。
「文系思考」・「理系思考」を見分けることができる例は後程説明をしますが、大切なことは・・・

“自分の才能を簡単に決めつけないこと!!” です。

自分に向いていることを見つけることは大切なことですが、何が向いているかを考えるときに、「家庭がこうだから」、「周りがこう言うから」だけで判断するのではなく「楽しい・面白い」、「昔から気になっていた」といった、

“自分の中にある興味・直観を信じること” が大切です。
この後、文系・理系の違い、文理選択のポイントについて説明を続けていきます。

高校1年の誰もが迷う『文理選択』のポイントは!?

「文系思考」・「理系思考」を見分ける寓話から・・・

「Aさんは300円を持って出かけました。170円の買い物をしました。お釣りはいくらでしょう?」

【文系思考派】
お釣りは30円。
と答えたあなたは「文系思考」です。

文系は「代金は170円だから、200円をレジで渡したはず。だからお釣りは30円」
と支払いの場面をイメージして考えます。
このように具体的なイメージを重視するのが“文系思考”。
文系思考は表現の多彩さや巧みさを重視する傾向があります。

【理系思考派】
お釣りは130円。
と答えたあなたは「理系思考」です。

理系は「所持金は300円だった。代金は170円だから、300円-170円=130円がお釣りだ」とシンプルに考えます。
数字や客観的事実を重視する考え方が“理系思考”。
理系思考は正確さや規則正しさを重視する傾向があります。

あなたはどちらでしたか?
これから少し具体的に文理選択のポイントを見ていきます。

文理選択と大学進学

高校1年の文理選択は、大学で学ぶ分野や受験する学部と関わってきます。
学部は『文系』・『理系』・『文理融合系』に分けられ、文系学部への進学を希望する場合は文系、理系学部への進学をする場合は理系を選択するのが基本です。
文理融合系の学部は、どちらを選んでいても受験できることがほとんどです。

【高校の文系】
・英語、国語、地歴公民を重点的に学ぶ
・数学、理科系科目は履修がない場合や、基礎的な分野のみを学ぶ場合がある

【高校の理系】
・数学、理科系科目の高度な内容を学ぶ
・英語、国語なども履修する場合がほとんど

【大学の文系学部】
・英語、国語、地歴公民で受験することが多い
・入学後に数学や統計学を学ぶ学部もある
(主な文系学部)
文学部・社会学部・法学部・教育学部・外国語学部・国際関係学部 など

【大学の理系学部】
・数学、理科で受験することが多い
・論文執筆や研究発表で英語が必要になる場合もある
(主な理系学部)
工学部・理学部・理工学部・医学部・歯学部・薬学部・農学部 など

【大学の文理融合学部】
・入試科目は学部によってさまざま
・文系型、理系型で入試が分かれる場合もある
(主な理系学部)
社会心理学部・情報学部・生活科学学部・経済学部・スポーツ科学部 など

いきなり大学の文系学部、理系学部、文理融合学部や具体的な学部名を出されても・・・と思ったキミ!!
高校の文理選択は、将来に関わる重要な選択。だから1つでも多くの情報を得て、慎重に、そして覚悟をもってキミの将来への第一歩を踏み出してください。

でも・・・何を基準にすればいいのかわからない場合も多いと思います。
そこで、文理選択の際に注意してほしい3つのポイントを紹介します。

1、将来就きたい仕事から考えてみよう。
学生時代に文系の学問を学んでいたか理系の学問を学んでいたかで、就職できる仕事の種類が制限される可能性があります。
「自分が将来どんな仕事がしたいのか」を考えてみることからはじめてみよう。
明確な職業がない場合でも、どういった分野で働きたいかという希望があれば文理選択の材料になります。
なんとなくの将来像がある場合は、周りの人に相談してみましょう。

2、学びたい学問(分野)から考えてみよう。
将来の職業はまだ考えられないという場合は、これからどういったことを学びたいのかを考えてみましょう。
学びたい、もっと知りたいということがあれば志望する学部を絞り込むことができます。

3、趣味や興味のあることから考えてみよう。
自分が好きなものが何か考えてみましょう。
パソコンを触ったり、プログラミングに興味があれば情報科学を学べる理系に、歴史に興味があるなら歴史学を学べる文系など、好きなものから自分が何に関心を抱いているのかを見極めることができます。
ちょっとしたことでも、学びたいと思えることを見つけるきっかけになります。

先輩たちの文理選択は?

教え子たちの文理選択はこのようでした。

・英語が好きなので文系にしようとしたが、数学の問題が解けた時の達成感や科学のおもしろさに惹かれ、もっと理系科目を勉強したいと思い理系に決めた。
(一宮高校 Aくん)

・高1のとき現代社会の授業で経済学の話を聞いて、とても興味深く、おもしろそうだと思ったことと、数学が比較的得意だったので大学で経済学を勉強したいと思い文系を選択した。
(一宮西高校 Bくん)

これを読んでくれた方が、自分で納得できる『文理選択』の一助になれば幸いです。

文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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