「ながら勉強」はテレビも音楽も許さない!【親子の学びガイド】

きずなネットにいただいた勉強の質問の中に「ながら勉強する子への対応は?」なんてものがありました。

ながら勉強、振り返れば自分自身も身に覚えがあります。
四半世紀前、私自身ラジオや音楽を聴きながら勉強をしていましたが・・・今思うとダメでしたね。
当時の自分を叱ってやりたいです。

今回はながら勉強について「テレビ」と「音楽」を取り上げてお送りします。
我が子がすでに実施してしまっているご家庭は、それを止めるべくご覧ください!

「テレビを見ながら勉強」は視覚を奪われるので厳禁!

色々な「ながら勉強」が昔からあるのですが、テレビを見ながらの勉強はその中でも最悪なものです。

今で言うとスマホでYouTubeを見ながら勉強なんかも同じジャンルで最悪ですね。

なぜこれらが最悪なのか?それは、これらの勉強は全て視覚を奪うからです。

どんな勉強でも「見る」という視覚を使います。
目で見てその内容について覚えたり考えたりしていくのに、その視覚が途中で途切れてテレビ番組に持っていかれてしまうのです。

テレビを見ている時間は手も脳も勉強がストップ。
もしもテレビと勉強が半々であれば1時間経過しても勉強をしていたのは30分。

しかも、ブツブツに途切れている勉強で、テレビの内容が学習の邪魔をしてくるし、ヒドイものです。

「テレビを見ながら」は、どんな理由があろうとも絶対に許してはいけない勉強です。
もしもやってしまっているならば、今日すぐに辞めさせましょう。

テレビの無い環境があるならば、そこで勉強をするように今日からしましょう。
もしもリビングでしか勉強が出来ないならば、家族会議を開いてテレビを消す時間帯を作りましょう。

「音楽を聴きながら勉強」もやはりお勧めしません!

さぁ、来ました。
ながら勉強のラスボス、「音楽を聴きながら勉強」です。

この勉強法は賛否両論あるんですよね。
私も含めおそらく誰もが経験があって、使い方が上手であれば、上手く音楽を勉強への力にすることが出来る人もいて。

何度かこの「音楽を聴きながら勉強」については勧めるべきか止めるべきか考えてきたのですが、今時点の私の考え方としては、「お勧めしない!」というのが結論です。

理由はいくつかありますが、一番大きな理由としては、「音楽を聴きながらはテスト当日に再現できない環境だから」です。

音楽の力を借りて手に入れた気持ちの高まりだったり集中だったりは、テスト当日に再現が出来ません。

イレギュラーな環境でとたんに本来の力が出せないぐらいの繊細な集中力など、勉強に限らず実用的とは言えません。

普段と変わらぬ環境下で勉強をして、いつもの力をいつでも出せるようにした方が断然良いはず。
私はそんな風に強く思っています。

あとは、「全員が音楽を勉強の味方に出来ないから」ですね。
もしも全員に効果があることがあれば、とっくに学校や塾で全員音楽を聴きながら勉強しているはずです。

「学習スタート時に勉強への気分を高めるべく音楽をかけておいたら、気が付いたら音楽が鳴っていることを忘れるほど勉強に集中して取り組んでいた・・・」

と、こんな展開が理想ではありますが、この展開に出来るのはクラス40人中1人か2人。

あとは38人は音楽の魅力に呑まれてしまい、勉強への集中力を下げてしまう展開に。

恐ろしいですね。
勉強が得意な子だけが使いこなすことができる技というのは、下手に真似をするとケガをします。
まさにこの勉強がそれです。

以上です。

ながら勉強は基本的にどれも勧めません。
例外的に勧めるのは「お風呂入りながら勉強」と「トイレの壁に暗記物掲示貼る勉強」ぐらいですね(笑)

参考にしてください!

文:國立拓治(Takuji Kunitate)
愛知県と兵庫県にて学習塾を経営。
著書は「くにたて式中学勉強法」(大和出版)ほか。

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