小学生・中学生が英検を受検するメリットは?【親子の学びガイド】

「級」がもらえる達成感が“英語嫌い”をなくします!!

保護者の皆さんも一度は耳にしたことがある、そして実際に受検された保護者の方も多いと思う「英検」。
今回はその英検の現在の状況や受検をすることで得られるであろうと思われる効能(メリット)について少し説明していきます。

2020年4月1日から2021年3月31日まで、昨年1年間で英検を受検した小学生以下の人数は325,390人、中学生・高校生の人数は2,911,389人。(日本英語検定協会調べ)
英検は年3回実施をされるので、多くの小学生・中学生・高校生が受検をしていることがわかります。

保護者の方の中には「マークシートだけの試験でしょ。」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
ところが、現在の英検は試験内容が昔とは大きく変わり、これまでの勉強としての英語よりは、活きた英語力を試す内容、「聞く・読む・話す・書く」の英語4技能を測定する内容が非常に増えています。

英検などの検定は受験のときにだけ必要じゃないの? と思われる保護者の方。
答えは“No” です。
この後、小学生・中学生が英検を受検する本当のメリットについてお伝えしていきます。

「級」がもらえる達成感が“英語嫌い”をなくします!!
入試のときに有利になるだけではない!! 普段の学習の自信につながる!!

昨年から実施された『大学入学 共通テスト』おいて、「英語外部試験は利用しない」という趣旨の内容が文部科学省から出されましたが、私立大学の入試では英検をはじめGTEC、TEAPなど英語外部試験の「スコア」によって、「大学入学 共通テストの外国語」の得点を満点とする大学もあります。
また高校入試、中学入試においも英検等の英語外部試験の「スコア」・「級」により、特待生資格の認定、入試時の英語への得点化、自己表現の材料等に活用する学校も多くあります。

愛知県内の某私立大学では・・・
基準スコアを満たす場合の取り扱いとして、大学入学 共通テストを利用して受験する場合、共通テスト試験「外国語」を満点とする。
【英検】受験級 2級以上、総合スコア 2,300以上、各技能のスコア 460以上
【GTEC】総合スコア 1,190以上、各技能 175以上など、
各外部試験に応じて基準が明確です。

愛知県・岐阜県の私立高校においては・・・
【英検】の取得級に応じて、当日の英語試験に加点する高校や推薦入試では準2級以上は特待生で合格など、各高校がそれぞれ基準を設定しています。

愛知県・岐阜県の私立中学校では・・・
小学校 英語の必修化に伴い、英語の教科入試を実施する学校が増えています。
また英語力のアピールとして英検等を利用する私立中学校は非常に多くあります。

ここまで小学生・中学生・高校生が入試の際に受けるメリットを説明してきました。

しかし、英検などの「検定」取得、合格のメリットは入試だけではありません。

小学生で英検取得!!「級」がもらえる達成感!!

お子様に「英語がわからないと将来困るよ」「今は大きくなったときに英語ができないと仕事が見つからないよ」と言っても、子どもは「はぁ?」となってしまうことが多いのではありませんか?

それよりも「英検合格」したという達成感が大切です。
スイミングスクールに通っていると進級テストで受かれば子どもはとても喜び、親も褒めるはず。
これと同じで「英検に合格すると合格証がもらえるよ。すごいよね。」と子どものモチベーションが上がるように話をしたり、大人と同じような資格がとれることなど説明をしてあげると子どもは納得して前向きに取り組むと思います。

そして無事に合格となれば達成感はとても大きく、頑張れば結果がついてくることを経験すれば他のことにも必ず良い影響を与えるはずです。

中学では英語嫌いになりづらい!!

小学生で英検5級程度の実力があれば、中学に進学してから英語は“余裕”がある状態になり新しい中学校生活もスムーズに進むことでしょう。
中学生になってからも「4級合格」「3級合格」と継続してチャレンジをして結果がついてくると、勉強への自信がつきます。

私の塾は検定の準会場の認定を受けており、それぞれの検定を子どもたちが通っている普段の場所で受検することができます。
検定合格にむけた準備として通塾日以外の日に対策授業を設定すると毎回、多くの生徒が検定にチャレンジをします。
普段の授業と同じように真剣に検定の勉強にも取り組み、「合格」を勝ち取ります。
そして勢いをそのままに定期テストに臨み、英語だけではなく他の教科でも高得点を取る生徒が毎回、増えているのが現状です。
合格した子ども一人一人を見ると、検定に臨む度に、自信と余裕が表情にあらわれ、笑顔で優しい、それでいて目に力が満ち溢れている子どもが多くいます。

小学生・中学生が検定にチャレンジする場は意外と身近にあります。
最近ではコロナ禍の影響で英検は私の塾のように準会場として一般の受検者を受け入れてくれる塾が多くあります。
それぞれの地元の英語教室でも準会場として実施されるところもあるかと思います。
また検定対策講座や授業を行う塾や団体も増えています。
2学期の検定、是非、お子様にチャレンジするよう促してはいかがですか。

余談ですが、6月の英検の際、私の塾で70歳の男性の方が受検をされました。
今年1月に4級に合格したので、お孫さんと一緒に3級を受検したいとのことでした。
結果は見事「合格」され、先日 合格証をお渡しした際、中学生が合格したときのようにとても喜ばれていました。

学びは学生の間だけではありません。
もし可能ならこれを読まれている親御さんも是非、お子さんと一緒に検定にチャレンジされたらいかがですか。
きっと、今以上に円滑な親子関係が築かれると信じています。

文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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