ヒドイ姿勢で勉強するわが子に「ちゃんと座りなさい」なんて声をかけたとき、「これが楽なんだ」なんて口答えされたことありませんか?
私は塾であります(笑)
きずなネットをご覧いただいている保護者の皆様に小中学生の勉強に関しての疑問を募集したところ、その中に「勉強の姿勢」についての質問があったんですよね。
今日はこんな口答えをする子に正しい姿勢を身につけてもらうべく、この質問にお答えしていきます!
「最後までやれるならそのヒドイ姿勢を許可する!」
まずは姿勢が悪いことを本人に自覚させて直していきましょう。
私が考えた最高の作戦がタイトルの通りです。
ヒドイ姿勢の子に近づいて、「最後までその姿勢でやれるならその姿勢を許可するけどどうする?」と声をかけます。
7割の生徒は「あ、辞めておきます」と普通の姿勢に戻りますが、面白いのが残りの3割の生徒たち。
「挑戦します!」とヒドイ姿勢での勉強を継続してくるのです。
しかし、ヒドイ姿勢での勉強って、体に負荷をかけているので、長い時間同じ姿勢でいるのが難しいんですよね。
15分もすれば皆がギブアップ。
苦痛を伴ってそういった生徒は学ぶのです。
「姿勢が悪いと体に悪いんだな」なんて。
過去に30分以上粘った唯一の生徒も最後はギブアップをして「もうしません」と(笑)
↓ちなみに彼がこのヒドイ姿勢で30分粘った記録保持者です!
正しい姿勢のキホンは90度!
ここから正しい姿勢を子供に覚えてもらいましょう。
キーワードは「90度」です。
いろいろと言い出したらキリが無いのですが、90度とだけ覚えてもらえると忘れないでしょう。
まずは「膝の90度」です。
座ったときに膝が90度になるように座面の調節を。
足台を置いて90度を作っても良いです。
高さが調節できるイスは90度を作るのにも便利ですが、くるくると回ってしまうイスは落ち着かず集中出来ないので辞めておきましょう。
次は「肘の90度」です。
ペンを持って体の近くで文字を書く時に、肘が90度になる机の高さがベストです。
高すぎたり低すぎたりすると、視力を落としたり肩こりになったり、不具合が出てきます。
最後は「腰の90度」です。
昭和の教育者、森信三先生が「腰を立てなさい」と指導されていましたが、正にここです。
太ももと胴体が90度になるよう、腰を立てて座ることが大切です。
言い換えれば背筋を伸ばして座るということと同じでしょう。
腰の90度は本人の心がけなので一番難しいですが、膝の90度と肘の90度はイスと机の調整で達成するので、保護者の関わりで達成できます。
是非とも膝と肘の90度は子供にプレゼントしてあげてください。
余力あれば、腰の90度も実践したいものです!
休み時間はしっかり立ち歩く!
そもそも人間の体というのは座る姿勢に対応して作られていません。
座りっぱなしのタクシー運転手が腰を痛めてしまうのは偶然ではないのです。
よって、勉強に取り組む子供たちも、座りっぱなしというのは正しい姿勢であっても負担がかかっているので、休み時間には立ち歩くようにしてあげてください。
ずーっと座っているのは飛行機のエコノミー症候群と同じ状況ですからね。
全身の血流を良くするためにも、気分転換のためにも、立ち歩きましょう。
ストレッチとか散歩とか、台所にお茶を飲みに行くのもトイレに行くのも良いですね。
以上、具体的なアドバイス3点でした。
「勉強が続きやすい姿勢・体勢はある!」ということです。参考にしてください!
文:國立拓治(Takuji Kunitate)
愛知県と兵庫県にて学習塾を経営。
著書は「くにたて式中学勉強法」(大和出版)ほか。