「すいません。頭痛がするっていうんで、今日は塾を休ませます」
こんなセリフを保護者からもらうことがあります。
「かしこまりました。お大事になさってください」とは口にするものの、心中は穏やかではありません。
頭痛や腹痛ってデリケートなんです。
本当に痛いかどうかが目には見えませんからこそ、この言葉の裏には様々なパターンがあるからです。
このセリフを言って休むときのパターンを書きだすと、「本当にひどい頭痛で塾に来れない」「たしかに頭痛持ちではあるけれど、実は今日は痛くなく、休みたかっただけ」「頭痛持ちでもなんでも無く、仮病で休みたかっただけ」「休みたい気持ちが強すぎて、本当に頭痛になった」とかでしょうか。
ここに休みたかった理由の数だけバリエーションとして掛け合わされます。
「友だち関係」「先生との相性」「宿題やれてない」「わからなくてつらい」「遊びたい」「部活で疲れた」などなど。
頭痛や腹痛を訴えて習い事を休みたいと我が子が言い出した時は、これだけのことがこの言葉の裏に潜んでいるかもしれないと思ってください。
そして、我が子のこの言葉に対して、保護者はどのように対処していけばいいのか?
今回はこんなことをお伝えしたいと思います!
これまでの我が子の人生を振り返る!
まずは我が子が習い事の前に頭痛や腹痛を訴えたことが過去にあったかどうかを振り返って思い出してみてください。
もしもゼロだったならば、本当に体調が悪い可能性が残っています。
また、頭痛や腹痛で遊びの予定をキャンセルしたことがあったかどうかも振り返ってみてください。
もしも遊びキャンセルがあるときは、体調不良の可能性が高まります。
そもそも頭痛って、私はなったことが記憶ありません。
また、今までの人生の中で、頭痛が原因で遊びの予定をキャンセルした友だちも見たことがありません。
こんな私の経験も後押しして、頭痛という理由で習い事を休むことには慎重になるんです。
初回は「受け入れて家庭で様子を見る」で!
これまでのことを振り返って、もしも今回が頭痛や腹痛の体調不良を訴えたことが初めてであるならば、初回だけは我が子の申し出をすぐに受け入れてみても良いとは思います。
その後の家庭での様子はよくよく観察しておいてください。
もしも習い事が塾だったならば、その日の塾の宿題が終わっているかは確認してください。
また、しばらくして直ったと元気に遊んでいたならば、その事実もしっかりと覚えておきましょう。
色々な可能性を想像しながら、そこから1週間よくよく様子を見てください。
2回目以降は「直球で聞く」か「送り出して様子を見る」で!
さて、目に見えない体調不良を訴えることの2回目です。
お分かりだとは思いますが、そんな都合よく習い事の前に頭痛や腹痛はやってくるものではありません。(嫌過ぎて本当に腹痛になる場合を除く)
基本的にこの言葉の裏に何かがあると思って対応をしていきましょう。
ここをすんなり受け入れてしまうと、「困ったらなんでも頭痛にしておけばいいや」なんて子になる可能性が高まってしまいます。
対応は2つありますが、腹を割って話が出来る間柄が出来ていれば、直球で聞いてしまいましょう。(中学生ぐらいになると難易度高まりますが)
「頭痛ってそんな都合よく習い事の前に発生したりしないよね。今まで頭痛で遊びに行くことを辞めたことなかったよね?何か行きたくない困ったことがあるなら教えて?」
本人の言い分を聞かせてもらえるならば成功ですよね。
行きたくない理由を解消出来るように、保護者がサポートしてあげられたら良いです。
もう一つの対応は話し合いをせずに、その事実を受け止めたまま習い事に行くことを強く推す対応です。
「習い事はちょっと体調が悪いからと簡単に休んでしまうようになってほしくないって思っているのね。
だから、もしも体調が今よりもさらに悪くなってとても出来ないという状況になれば、連絡ですぐに迎えに行ってあげるし、先生にも体調のことをあらかじめ伝えておくから、頑張って行ってらっしゃい」と背中を押してみてください。
どちらにせよ、2回続くときには、その事実を習い事の先生に報告や相談するといいですね。
だいたい何かが隠れてますよ。
デリケートな話題でしたが、この場面に遭遇した時に困らぬようにと書いてみました。参考にしてください!
文:國立拓治(Takuji Kunitate)
愛知県と兵庫県にて学習塾を経営。
著書は「くにたて式中学勉強法」(大和出版)ほか。