中学3年必見!! はじめての大学入学 共通テストを振り返る。【親子の学びガイド】

中学3年は今後、激変必至!! 教科も共通テストも変わります!!


令和3年1月に実施された『大学入学 共通テスト』が、「学習指導要領」の変化を先取りした『第一次大学入試改革』です。

これについては、この「親子の学びガイド」で1月から3月までの中で何回かに渡り触れてきました。

はじめて行われた大学入学 共通テストは、事前に大学入試センターより示された新しい出題方針に概ね則ったもので、センター試験より『読解力・思考力・表現力』が問われる内容に変化しました。

【全科目共通の変化】
・設問文を中心とした「文章量」の増加
・「日常の学習場面」を想定した対話文の増加
・「日常的・身近な題材」を扱う問題の増加
・図表・写真など情報量の増加
・複数の正解を選択することによる選択肢の複雑化

事前に示されていた共通テストの問題方針では、センター入試における「知識・技能」に加えて「思考力・判断力・表現力」をバランスよく問うことを基本的な考え方としていました。
実際、日常的・身近な題材、文章や表、グラフなど複数の資料の読解が目立ち、試験時間内に多くの情報を読み取り、整理しながら解答を導く力が問われました。
そして読み取る情報が多くなったため、時間内での解答が厳しかった受験生も多かったと思われます。

この後、もう少し詳しく、最新の情報と合わせて共通テストを振り返っていきます。

大きく変わった出題傾向。大きく変わらなかった平均点。

次年度以降に備えて、しっかりと準備をしていきましょう。

【英語は大きく変化しました!!】
・発音・アクセント、語句整序問題等の文法問題の消滅
・リスニング・リーディングの2技能に
・リーディングの総語数
(センター試験) 約2800語→(共通テスト) 約4200語と大幅に増加
・設問数
(センター試験) 大問4問・小問25問→(共通テスト) 大問6問・小問32問
・リスニング
(センター試験) 音声 すべて2回読み→(共通テスト) 6問中4問が1回読み
・リーディング・リスニングの配点
(センター試験) 筆記 200点・リスニング 50点→(共通テスト) リーディング 100点・リスニング 100点

英語はすべての教科の中で上記のように大きく様変わりをしました。
「英語は予想以上に大量で読み切れなかった」「リスニングは4人で会話する問題は、誰が話しているかわからなかった」などの声が生徒からあがっていました。

学指導要領改訂、英語教育改革を背景に英語4技能(読む・聞く・話す・書く)を中心とした「使える英語」を目指したものであることは間違いがありません。

今回の大学入学 共通テスト全体としては、出題形式や出題内容が明らかに変化しました。
しかし実際の平均点は昨年のセンター入試とほぼ同じ。
予想より平均点が高かったのです。

>1つは、これまで行われた「試行調査」で難しすぎるとされていた理数系科目の問題が大きく改善され、全体の平均点を押し上げました。
数学は計算処理の要素が緩和。
理科は複数解答選択の問題の減少や、センター試験と同様の典型問題が多く出題されていました。

もう1つは受験生の事前の準備があったことです。
センター試験とは大きく異なる共通テストの対策を、学校や塾の授業、問題集、模試など有効に活用ししっかりと準備を進めた結果が現れたと思います。
事実として難関国立大学の志願者数が多くなったことは、今回の共通テストでは成績上位層にとっては想定以上に対策(準備)が功を奏したのではないかと思います。

共通テストとともに公立高校入試も変化をしていきます!!

「わかる!!」から「できる!!」に変えていく勉強が大切です。

大学入学 共通テストの変化は、公立・私立高校入試、私立中学校入試の変化と対応しています。
全国的にみると高校入試・中学入試では共通テストと同様に、文章量や対話文、日常的な題材を扱う問題の出題増加はすべての教科に共通した大きな傾向の変化です。
共通テストの「あてはまるものを過不足なく含む選択肢を選ぶ」問題は、愛知県の公立高校入試ではすでに定番となっており、10択以上の選択肢から選ぶ問題も出題されています。

中学3年が高校入試にむかう上で知っておいてほしいことは、今 学んでいる教科書の内容、夏から本格的にはじめる志望校合格にむけての受験勉強が高校入試だけではなく、将来の大学入試につながっていること。
知識・技能(教科書の太字部分だけを覚える)の習得だけではなく、思考力・判断力・表現力(説明できる力、英作文力など)を身につける勉強を着実に進めていくことです。

そして保護者の方には『情報』を正しくつかみ、うまく活用をしてほしいと思います。
先日、「大学入学 共通テストでも英語の民間資格、検定試験の活用が見送り」と報道されました。
これは大学入学 共通テストにおいて見送りになっただけで、多くの私立大学入試では民間資格、検定試験での4技能のスコアを受験要件や英語の試験免除に活用していくことはつづくと思われます。

これからも子どもの『学び』における大きな変化はつづきます。
この情報が皆さまの一助になれば思っています。

文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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