はじめての定期テスト安心ガイド【親子の学びガイド】

最善の方法は『計画を立てて勉強すること』なんですが・・・


5月中旬頃から中学生・高校生は、今の学年で、はじめての定期テスト(中間テスト)が行われます。
中学生・高校生の定期テストは『結果』に注目をしがちですが、結果以上に大切なことは、定期テストにむけて『どのように取り組んだのか?』という、目標にむかう姿勢です。

大人は定期テストや入試などにむけて『計画を立てて勉強を、準備を進めていく』ことが大切なことだと知っています。
ところが子どもを見ていると「うちの子は計画性がないなぁ・・・」と思われる親御さんが多いのではありませんか。

2019年に行われた小学生から高校生を対象にしたある調査によると『計画を立てて勉強をしている』のは4~5割程度。
学年別にみると、高校3年は52.1%と少し高くなりますが、中学1年の54.3%を頂点に、学年が進むごとに減少していくという結果が出ています。
また「あなたは勉強がどれくらい好きですか」という質問の回答では、「勉強が好きではない」と答えた、中学1年の46.1%から増えて6割近くになる学年(高校2年)もあるほどで、勉強が思い通りにできていないと思われます。

多くの中学校では、テスト範囲が発表されるとき、テストまでの学習計画表も合わせて渡されます。
子どもたちは壮大な計画を立てて、テストに挑もうとします。
このときの子どもたちは勉強のやる気に満ち溢れています。

しかし・・・

いざ、その計画通りに進めていくと・・・
「今日はこれぐらいでいいか!」「明日がんばる!」など、思ったように進まないのが現状。
だんだんとテスト勉強スタート時の勢い、意気込みが下降していきます。
このあと、定期テストに臨む子どもたちを私たち大人がどのように励まし、よい方向へ導くために何をしていくことがいいのか、についてお伝えしていきます。

『計画、実行して、振り返る』ことが大切です。

青山学院大学陸上部の目標管理とは?

箱根駅伝で何度も優勝をしている青山学院大学陸上部では、部員一人ひとりに目標の管理をさせています。
その方法は、1年間の目標、1ヶ月の目標、大きな試合や合宿ごとの目標を目標達成のための行動とともに、それぞれA4用紙1枚に書かせるというもの。
何を目標にするべきか、そのためにどうするべきかを、部員一人ひとりに考えさせています。
監督は目指す方向性から逸れないようにフィードバックはしますが、部員が自主性をもって行動できるように育てています。

また書かれた目標は寮の壁に貼り、本人だけではなく周囲の部員にも共有しているそうです。
駅伝はチーム戦。
他の部員の目標を知り、互いにアドバイスをさせることで、チーム内の理解、連携を高めるためです。
目標に対する行動の進み具合は、月1 回のグループミーテイングで行い、お互いの目標と進捗を語らせることで、チームに貢献するにはどうすればよいかを、自分の頭で考えるようになるのです。
こうした目標管理によって個人の力、チームの力が伸ばされた結果、青山学院大学は箱根駅伝で優勝の常連校に成長していきました。

親御さんのさりげない、
具体的なアドバイスが大切です。

定期テストにむかうために大切なことは、

① 目標の設定と計画づくり
② 行動(勉強量・勉強時間)
③ 振り返り(行動の確認、「わかる」から「できる」になっているのか?)
④ 計画の見直し・修正と行動の継続

(できれば①と②は、常に見ることができるように、机の前や家族全員が見ることができるようにすることが理想ですが、スマートフォンの学習記録アプリなどを活用すると、計画と進み具合が同時にわかります)
この ①から ④ を、1日でも早くスタートし、くり返し行っていくことです。

とくに最初に立てた計画を常時振り返ることで、「ここはちょっと無理があったかな」「次はもっとこうしていこう」という子ども自身の『気づき』につながり、どんどん計画を立てることが上手になるとともに、結果にもつながっていきます。

ただし、親御さんが「子どもの勉強に関わっている」と思っていても、子どもの方は必ずしもそうは思っていません。
親御さんからの助言を聞き入れにくい年齢ですが、「計画を立てなさい!!」「もっと勉強しなさい!!」ではなく、「今日何を勉強したのか」「教科ごとの勉強時間を記録してみるといいらいよ」などと、さりげなく具体的なアドバイスをしていくことをおすすめします。

計画の必要性は「テストに間に合わせるため」だけではなく、計画を立てることで、自分で学習や時間をコントロールすることができることにつながります。
そして実際に行動していく中で「次はもっとこうしてみよう」「自分にはこのやり方があっている」など、子どもの『自信』や『気づき』につながり、結果にも結びつきます。

これが中学生、高校生の『学び』にむかう『自信』となり、将来社会に出てからも役に立つ力になります。
そのためにも、子どもたちが試行錯誤しながら計画を立てて、目標にむかい、行動し、振り返ることができるように、私たち大人が、とくに身近にいらっしゃる親御さんが子どもをしっかりとサポートすることが大切だと強く思います。


文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。

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