子どもへの“包容力”が大切。「中1ギャップ」を回避する!!
「中1ギャップ」という言葉をご存知ですか。
【 ギャップ 】には「食い違い」や「相違」という意味があります。
小学校を卒業して中学校へ進学した際、これまでの小学校生活との食い違いや、中学1年になって感じる理想と現実の相違を感じ、新しい環境や生活スタイルになじめず、授業についていけなくなったり、朝、学校に行こうとすると体調が悪くなったりする現象のことです。
中学生になった子ども全員に必ず起こるものではありません。
中には、ギャップをあまり感じずスムーズに新しい環境に適応できる性格の子どもも多くいます。
中1ギャップの原因である「新たな環境に順応できない」という状況には、主に4つあります。
1 学習・勉強面の相違
2 学校の先生との関係
3 部活動や先輩との上下関係
4 友人関係
小学校と中学校の間にある様々なギャップを知り、周りの大人、特に保護者の『包容力』で、新しくはじまる中学生生活を、元気に、楽しく、充実したものにしてもらいたいという想いから、『中1ギャップ』の回避法を考えていきます。
中学1年にとって『家は大切な休息の場所』です!!
子どもが家庭内で話しやすい雰囲気をつくることが親の役目。
入学式、始業式のあとからはじまる、新しい環境での中学生生活。
とくに4月は「子どもの様子をじっくり観察し、子どもがくつろいだり、安心して悩みを打ち明けたりできる、リラックスした空気を家庭内につくる」ことが大切です。
子どもが、はじまったばかりの中学校生活での不満や不安を口にしたら、アドバイスやお説教は一旦飲み込んで、子どもの話を最後まで聞いてあげて下さい。
これだけでも子どもは親を信頼できますし、誰かに話すことでストレスを発散させることができます。
子どもに『余裕』をもたせること。これが学習・勉強では最善の策。
中学校生活の最も大きな変化は「学習・勉強面」。
教科ごとに先生が変わる、小学校で学んだ学習内容が幅広く、より細かくなり、授業のスピードも速くなる、定期テストでは順位が出されて同級生との学力差が具体的な数値で明らかになる・・・といった子どもにとっては一番大きな変化です。
特に定期テストの結果は、保護者も子どもへの対応が大きく変わるのではありませんか?
学習・勉強面で『中1ギャップ』を回避するには、4月中に、子どもに『余裕』をもたせること。
『余裕』をもたせる方法として、1つは【家庭学習の習慣をつける】ことです。
中学校の授業の進みがあまりない4月こそ「帰宅したら夕食前に今日学んだことを復習する」など自主学習、復習をする時間をとるなど、家庭での学習のルールを定着させることです。
そしてもう1つは【塾を利用する】ことです。
最近、保護者の方からの声で「1学期は様子をみてから、夏休みに塾へ通わせます。」といった内容が多くなっています。
子どもが中学校の生活になじむまでは・・・という考えからだと思います。
しかし、夏休み前から塾へ通われる方に入塾の動機を尋ねると、「学校の授業がわからない」、「定期テストで思った以上に得点できない」、「社会、理科の勉強の仕方がわからない」いう答えが返ってくることが多くなっています。
また今年は「英語の授業についていけない」という声が上がるかもしれません。
私の塾では入塾説明会で、子ども、保護者に「塾のある生活サイクルをつくってください」と伝えています。
中学生の塾へ通う時間は多くは夜。睡眠時間等を気にされる方が多いのですが、「学習・勉強面」からみると、「塾の授業を受けたら、学校の授業がよくわかった」、「宿題がはやくできる」、「中学校、楽しい」、「最初の定期テストで高得点がとれた」など、保護者・子どもからに喜びの声を多くいただきます。
そして『自信』に満ち溢れ、勉強、部活動に意欲的に取り組み、中1ギャップを感じずに中学生活を好スタートした子どもたちが多くいます。
塾は『子どもの将来』を、第一に考えています。
家庭は休息の場所。塾は子どもたちの心に『余裕』をつくる場所。
保護者の方は、進学塾、学習塾にどんなイメージをもたれていますか?
知識の詰め込み、得点至上主義・・・など、厳しい空間のイメージをもたれているなら少し塾への見方を変えてください。
多くの塾が、子ども、保護者とのコミュニケーションを密にして『子どもたちのため』に授業をしています。
1回、1回の授業に、膨大な時間をかけて準備をし、様々な工夫を凝らし、子どもたちの「わかった!!」をつくっています。
「自信」をつくっています。
この「わかった」という言葉が出れば、中1ギャップを感じずに、充実した中学校生活をはじめることができると信じています。
1人の子どもに多くの大人の支えが必要な時代だと思います。
子どもたちすべてが、明るく、楽しく、充実した学校生活が送られる様、私たちは塾という立場から応援していきます。
このことが「中1ギャップ」の回避法の1つになると信じて。
文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。