公立中学校と私立中学校、何がちがうの? 愛知県私立中学校の受験事情。
これまで『中学校の教科書』が大きく変わることをお伝えしてきました。
今回は、少し視点を変えて、 愛知県 私立中学校の受験事情をお伝えします。
次のデータは愛知県の小学6年 児童数と愛知県 私立中学校 受験者数の推移です。
2018年 | 小6児童数:69,619人 | 私立中学受験者:13,481人 (2019度入試) (19.4%) |
2019年 | 小6児童数:70,144人 | 私立中学受験者:14,191人 (2020度入試) (20.2%) |
2020年 | 小6児童数:69,769人 | 私立中学受験者:13,782人 (2021度入試) (19.8%) |
※児童数:学校基本統計より、受験者数:愛知県私学協会発表より
愛知県には私立中学校は20校あります。2021年度入試 20校の定員の合計は3,253人。
倍率 4.24倍 の狭き門に挑戦する小学6年が、愛知県には2割もいます。
ただし1人が2校、3校と受験する場合もあるので、実際の人数としては若干少なくはなりますが・・・。
なぜ、愛知県 私立中学校入試は盛り上がりを見せているのか?
公立の中学校と私立の中学校では何が違うのか?
このあと見ていきたいと思います。
子どもの興味や関心、学力に合わせた私立中学校の選択。
6年間、好きなことに集中して取り組むことができる。
のびのびと学校生活を過ごすことができ、個性や能力を十分に発揮できるところが、子どもにとって「いい学校」と言えます。
私立中学校は、創設者の「建学の精神」が何十年にもわたり引き継がれ、それぞれの学校の校風、教育理念、教育方針をつくりあげてきています。
13歳から18歳までの多感な時期を落ち着いた環境で過ごし、高校受験を気にせず、6年間じっくりと学校生活を送ることができます。
私立中学校は大学入試の対策をする場所ではありません。
各中学校独自の教育プログラムを展開し、子どもの知的好奇心と学習意欲を高める工夫をしています。
たとえば、実験や体験学習を重視したり、大学・企業の最先端科学を学ぶことを重視する「理数系教育」、海外への語学留学、活発な海外交流などを重視する「国際教育」などのプログラムがあります。
また部活動の種類も豊富で、運動系、文科系の部活動が盛んに活動をしています。
中には全国レベルの部活もあります。
子どもの興味・関心に合わせた幅広い選択肢があることも私立中学校の魅力の一つです。
子ども一人ひとりへの気配りが私立中学校の魅力。
教育環境の自由度が高いため、学習内容や学校行事などもオリジナリティがあるものになっています。
さらに、これらは時代の流れや生徒の希望に合わせて柔軟に改善されています。
各教科の学習や学校生活についても、一人ひとりに合わせた柔軟な対応によりしっかりとサポートを受けられます。
そして、学校生活を送る上で最も頼りなるのは先生です。
私立中学の先生はその学校への想いが強く、責任と誇りを持って生徒に向き合っています。
さらに、先生以外の豊かな社会人経験を持つなど、個性的な先生が多いのも特徴です。
コロナ禍の休校期間、先生独自の授業動画を配信した学校。
いち早くリモート授業に切り替えた学校。
子どもの学びを止めないという先生の想いが形として現れました。
子どもの「学び」の変化は、時代の変化と呼応します。
コロナ禍で世の中の構造が急速に変化した今、将来を真剣に設計する。
「変化」は徐々に進むのではなく、何かをきっかけに急速に進み、社会構造が変わっていくことだと思います。
コロナ禍、リモート・ワークが急速に進展し、これまでの働き方とは異なるスタイルができました。
日本の文化でもある書類、届け出等への押印も少なくなりました。
この1年で私たちの生活は、大きく変わりました。
「変化」が大きい今、あらためて、子どもの将来を真剣に考え、周りの大人が寄ってたかって、子どもの未来を創造することに注力するときではないでしょうか。
親が、子どもの特性、興味・関心、学力などしっかり見極め、その子が伸び伸びと健やかに学生生活を送ることができるように導くことが大切だと思います。
子どもの「学び」もこれから大きく変わります。
学びの選択肢の一つとして私立中学校に興味を示されてもいいのではないでしょうか。
私立中学校は、大学受験で、難関大学・有名大学に合格させることだけが目的ではありません。
将来の日本を担う、国際社会で活躍できる人材を育てる場所。
子どもの興味・関心を引き伸ばしてくれる場所です。
春以降、私立中学校では説明会・学校見学会が何度も行われます。
その学校の考え、将来の子どもへのビジョン、その学校の対応など直接、聞くことができます。
そして、実際、私立中学校に進もうと思ったとき、地域にある学習塾、進学塾には、多くの情報とその学校へ導いてくれる先生がいます。
ぜひ、頼りにしてください。
子どもの学び、世の中が大きく変わる「今」。
未来を担う子どもたちの成長が、明るい社会、強い社会を創造すると信じます。
そして、その子どもを支え、導く周りの大人、とりわけ、親の役割が大切だと思います。
文:渡邉 智治(Tomoharu Watanebe)
塾講師歴25年以上。愛知県にて学習塾を経営。