新しい『学び』を育むために、教科書はこう変わります!
令和3年 4月から使われる中学生の新しい教科書。「英語」は、単語、英語表現の増加など4技能(読む・聞く・書く・話す)を駆使する内容に変わり、加えて高校で習う文法単元が前倒しされます。
「数学」はデータ活用の単元の充実。
英語と同様に、高校で習う単元のいくつかを中学校で学ぶなど『変化』が大きい教科書になります。
そして、教科書の変化は教科ごとに、独立したものではなく中学校で学ぶすべての教科が関連性をもち、子どもの『知識・技能』と『思考力・判断力・表現力』を育むために、たくさんの工夫がされている教科書になります。
英語では図表やグラフの活用、たとえば、ある調査結果をもとに展開される英語の文章。
その文章を読み解き、グラフ内にあてはまる数字や語を書き入れるもの。
理科で学ぶ食物連鎖。これを受動態、能動態を駆使して表現するなど、それぞれ教科に繋がりをもたせた内容構成になっています。
このあと「新しい教科書」で、国語・理科・社会が目指す「ゴール」とそれぞれの教科の「つながり」について説明をしていきます。
読解力と思考力の育成。国語はすべての教科の土台です。
『読解力』と『豊かな語彙力』が深い学びにつながります。
今回の国語 学習指導要領で新たに加わった項目として、
○情報と情報との関係
○情報の整理
が、学年ごとに整理されました。
この「情報の扱い方」を、小学校では2年ごとの3段階、中学校では学年ごとの3段階で学ぶことになります。
「情報」とは単なる資料の読み取りではなく、従来の文学的文章、説明的文章の内容について関係性をつかみ整理ができること、根拠を明確にして表現できることを目的としたものです。
資料やその中の言葉が、文章や会話の中で、どのような役割があるのかを正確に読み取る「読解力」、その言葉の理解を深め、思考・判断・表現をする道具としての「豊かな語彙力」の育成を様々な観点からアプローチすることを促し、より深い学びにつながることを目標とした新しい国語の大きな柱になります。
理科は「探求の過程」が充実。高校新科目につながります。
「見方、考え方」をはたらかせた『探求の過程』が大切です。
理科は課題の発見、追求、解決という「探求の過程」を通して、それぞれの過程で資質や能力を育成できる内容に変わります。
○中1では「問題を見いだす」「見通しをもつ」
○中2では「見通しをもって解決する方法を立案する」「分析して解釈する」
○中3では「分析して解釈する」「探求の過程を振り返る」
ことがそれぞれ取り上げられています。
探求の過程は、高校の授業でも重視されます。
高校の新学習指導要領では「理数科」が新設されます。
これは『数学的な見方・考え方』や『理科の見方・考え方』を豊かな発想で活用したり、組み合わせたりしながら、探求的な学習を行う教科です。
中学校で身につけた見方・考え方を高校でより深化させることが求められます。
社会の核は資料の読解。他教科との連携が学びを深める。
社会は『思考力・判断力・表現力』の学びの役割を担います。
社会の学習方法として「社会的な見方・考え方をはたらかせて、課題を追求したり解決したりする活動」が示されています。
用語を覚えるだけではなく、多面的・多角的な見方・考察、学びに向かう力、人間性といった資質や能力を育むことを目指しています。
社会の「課題」は、実生活や世の中の事象に関連するものが想定されており、中でも新しい教科書では地理・歴史・公民すべての分野にSDGsが掲載されたことで、世界で解決しなければいけない課題であることが明確になりました。
また他教科との連携、たとえば『時差』の学習は数学の『正負の数の加法・減法』と同時期のカリキュラムが想定されており、より深い学びにつなげることが求められます。
新中学3年・新中学1年は、この機会にしっかりと準備を。
新学年 最初の中間テストでスタート・ダッシュ!!
新中学3年は中学校・高校の『新学習指導要領』での学びがはじまる先頭学年になります。
中学3年、高校生は常に変化する教科書内容(新しい教科、単元)を経て、本格的な大学入試 共通テストの実施初年度を迎えます。
新中学1年は新しい教科書での学びを3年間経て、高校入試を迎えます。
高校入試で出題される問題が、これまでと大きく変わる可能性があります。
この変化は大きな『チャンス』です。
新しい『学び』がはじまるこの機会にこれまでの学習習慣の見直し、これからの学習習慣、学習方法の構築、お子様の将来のビジョンを描いて下さい。
そして日々の学習面の成長を定期テスト、模試などで客観的に計り、よい方向に改善していく。そのために、学校や塾を頼って下さい。
必ず、大きな助けになります。
これからはじまる新生活が充実した時間になるようお祈りします。