昨年はコロナ感染対策で春先から3か月近く学校が休校となりましたね。
私も学習塾の現場で20年以上指導してきましたが、こんな事態は初めてのことです。
「ずっと春休みが続けばいいのに」なんていう子供たちの長年の夢が、良くない形で叶ってしまいました。
幸いコロナの一時的な沈静化と子供たちが重症化しづらい状況がわかってきたこともあり、6月には学校が授業を再開して、夏休み返上で休んだ学習のツケを払ってきましたが…
塾で子供たちの様子を見ていると、やはりツケは払いきれていないように感じるのです。
今春の公立高校入試の問題は、多くの都道府県で基礎的な内容で出題することになったり、出題しない単元を発表したりしています。
これは「表面上で指導ペースを戻しても子供たちが充分に理解をするには演習に割く時間が足りなかった」という動かぬ証拠ではないかと。
休校の悪影響が目立たぬ形で学力に出てきます。入試が無い他学年にも!
この悪影響を避けるべく取り組みたい2つの方法を今回はご紹介します!
休校の悪影響を実感!
私が塾の現場でコロナ休校の悪影響として明確に感じたのは、夏休み時点の中3生の計算力を見た時でした。
演習を重ねることで理解を深める二次方程式や平方根の単元が、今年は全体的に生徒の正答率が低かったのです。
繰り返し演習に取り組んでもらうことで計算力をつけてもらいましたが、急ぎ足で学習をするしかなかったツケを明確に感じた瞬間でした。
こんな休校の悪影響が他学年でも出ているかもしれません。悪影響を避けるべく2つの取り組みをご紹介します!
1.模擬試験を受験してみる!
「休校明けに急ぎで学んできた各教科の内容がどれだけ定着しているか」を、模擬試験を受験して確認することをおススメします。
自分の学力の現状を確認をするための最善方法が模擬試験であると思うのです。ぜひ各県で母体数が大きい模擬試験を探して、受験をしてみてください。
模試の結果が返って来たら、理解が浅かった単元の確認をしていきましょう。
「あれ、わかってるつもりだったのにな」とか「予想通りわかってなかった」なんて単元が出てくることでしょう。
その中にはコロナの影響もあって理解が浅くなっている単元も含まれていることでしょう。
そんな単元に対して2つ目の取り組みを。
2.苦手単元の復習に取り組む!
模試でわかった苦手単元の復習に取り組んでいきましょう。模試を受けてなければ総復習をしていきましょう。復習のおススメ手段は2つ。
手前みそにはなりますが、まずおススメするのは「学習塾に通うこと」です。期間限定で「学習塾の季節講習に参加する」でも良いですね。
1人で勉強をしてきて理解が浅かった単元ですから、人から理解の補助をしてもらえる学習塾は一番最初に検討されると良いと思います。
「コロナで定着が不安なので今の学年の復習がしたい」と申し出て、対応が可能な塾での講習を受講してみてください。
もう1つの手段は、「市販教材やWEB動画教材を利用して独学で復習をすること」です。
ネットには学習指導動画も無料で沢山アップされています。市販教材も1冊1,000円~2,000円ほどで購入可能です。
一人で頑張る覚悟があれば、一番安価ですし通塾に時間を取られることもありませんから、おススメです。
以上2点です。模試は受験タイミングが限られますが、今の学年の総復習は今日からすぐに取り組めます。
勉強面で「コロナのせいで」なんて今後言わなくていいように、今こそしっかりと復習に取り組んでおきましょう!
文:國立拓治(Takuji Kunitate)
愛知県と兵庫県にて学習塾を経営。
著書は「くにたて式中学勉強法」(大和出版)ほか。