教科書が変わる。学び方が変わる。そして入試が変わる。【親子の学びガイド】


新しい教科書では、すべての教科で「思考力・判断力・表現力」を育んでいきます。


令和3年度からの学習指導要領では、「知識・技能」に加えて「思考力・判断力・表現力」が重視されています。

子どもたちの学習を教室の中だけではなく、習得した知識や技能が日常や社会生活を支えるものとなることを目的としています。

そのため、単元ごとの学習、練習問題、発展的な学習や「読み物」コーナーでは、次のような場面やテーマが多く取り上げられています。


● 学校での学習場面や諸活動

● 家庭や地域社会の日常生活

● 防災・減災

● 主権者教育・消費者教育

● SDGs(持続可能な開発目標)


SDGsは現代社会が抱える諸課題に対する目標を明文化したものです。

新しい教科書にはSDGsがすべて教科で扱われており、子どもたち自身が自分の将来に深く関わる課題であることを認識し、「正解」のない課題に取り組んでいく意識を持つことを促しています。


このあと「新しい教科書」が目指す「ゴール」について説明をしていきます。



中・高・大、すべての入試でSDGsが定番の題材に。

思考力・判断力・表現力と主体的に学習に取り組む姿勢が求められます。


新しい教科書において、それぞれの教科で求めている資質・能力は次のようになります。


英語 「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やり取り・発表)」「書くこと」
英語では文章量が増加し、必要な情報や要点を把握することが求められます。

国語 「情報と情報の関係」、「情報の整理」、「情報の扱い方」
文章中の情報について関係性をつかみ、整理・理解する「読解力」の育成。

数学 「日常生活や社会の事象を数理的に捉え、数学的に処理し問題を解決する」
「数学の事象について総合的・発展的に考え、問題を解決する」

理科 「課題の発見、追求、解決という探求の過程を通じ、資質・能力を育成」

社会 「社会的な見方・考え方を働かせて、課題を追求したり解決したりする活動」



 新しい教科書は「知識・技能」の習得のみに留まらず、学んだ内容から自ら考え、判断し、表現するという学習の発展に踏み込んでいます。具体的には、複数の資料から情報を取捨選択し、自分の意見を形成し、アウトプットするものです。国語で新設された「情報の扱い方」の項目は、テクスト(文献など)や資料などの読解力に直結するため工夫を凝らした教科書の内容になっています。読解力はすべての教科、そして「思考力・判断力・表現力」の土台となる力です。

 さらに新しい教科書では、ある単元で学んだことに関連する他教科の内容を紹介するなどして、子どもに知識の広がりとつながりの感覚を持たせる工夫もされています。既習内容の復習をしたり、各単元で高校での学習につながる内容であればそれを紹介するなど、小学校→中学校→高校の「接続」を円滑に進められるような学びが構築されています。



保護者は、新しい教科書にどう向き合えばいいのか?

知識は「思考の土台」進級、進学を機会に学びの見直しを。


「思考力・判断力・表現力」が重視される教科書に変わるといっても、知識の習得が必要なくなるわけではありません。

知識が不足していると、比較したり、共通点を見つけたりといった「思考の土台」が、広く強いものになっていきません。

課題を解決するためには、知識を土台にした多面的な見方や、さまざまなものと関連付けて検討し、意見や根拠を明確にして表現することが必要です。


また、新しい教科書、すなわち学習指導要領の改訂は小学校―中学校―高校の「接続」が重視されています。

中学校での学び残しやつまずきがあると高校や大学での学びにも影響してしまいます。


模試や塾などを上手に活用し、学習状況をしっかりと見守ることの大切さが、これからさらに高まっていきます。



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