「教育改革」が急速に進行中。
令和時代、学校教育が目指すものは?
令和3年4月、中学教科書が大きく変わり、学校での子どもたちの「学び」が、私たち大人が想像する以上に大きく変わります。
中学1年 英語教科書をくらべてみたいと思います。
令和3年3月まで使用する今までの教科書『NEW HORIZON』(東京書籍) 中1 Unit.1 で学ぶ英語表現(文法)は、
・Are you Ito Sakura ?
・Yes, I am.
といったように、be動詞の表現のみでした。
令和3年4月から使用がはじまる新教科書『NEW HORIZON』(東京書籍) 中1 Unit.1 で学ぶ英語表現(文法)は、
・I'm thirteen.
・I like Japanese movie.
・I usually drink coffee, too.
・We can play soccer there.
be動詞の表現以外に、一般動詞、副詞、助動詞を使った表現を学びます。
この大きな変化の背景には、国が推し進める教育改革、コロナ禍 前倒しではじまるGIGAスクール構想に基づいた学校教育のICT化があります。
そしてこれから、過去に類をみない「教育改革」が小学校、中学校で進行していきます。
教育改革は「子どもたちがこれからの社会で生きていくために必要な資質・能力を育む」ため、学習指導要領の改訂、大学入試改革、英語教育改革の3つの軸で進行しています。
特に、学習指導要領の改訂は小学校から大学までの、日本の教育制度全般にわたる大きな改革の主軸を担っています。
特に英語は高校卒業時の英語力を向上させるため大幅に単語数、表現(文法)が増えたことから、質・量ともにボリュームアップをしています。
このあと、最も変化が大きい「英語」についてくわしく説明していきます。
教科化された小学英語。
中学校では習ったことが前提?
高校内容の一部が中学に!
英単語、文法(表現)が増加!
今回の学習指導要領の改訂により、国語・数学・理科・社会では大きな学習量の変化はありません。
しかし、「ゆとり」時代に比べれば1.4倍の学習量があり、確実な「知識・理解」の定着は簡単ではありませんでした。
さらに今回の改訂により「思考力・判断力・表現力」が重点化され、全体的に教科書のページ数は増加しています。
「英語」はどのように変わったのでしょうか。
英語教育改革は、小学校、中学校において次のような設定がされています。
・小5・小6で英語が教科化(令和2年 4月より)
・小学校で扱う英単語数は600~700語程度
・中学校で扱う英単語数は1,600~1,800語程度
・高校で扱う単元(文法・英語表現)が中学校に組み込まれる
・中学校でも英語で授業を行うことが基本
新しい教科書で中学校3年間に習う英単語数は1,600~1,800語です。
現行は3年間で1,200語程度ですから3年間で400~600語、1学年あたり130~200語増えることになります。
新中学3年は、未習の単語、英語表現、文法が多い新しい教科書を使って学習を進めていくことになります。
また新中学1年は小学6年次に英語が教科化されたことを受け、従来は中学校で登場していた英単語600~700語が「小学校で既習済み」として扱われるようになります。
英単語を10個覚えるのにも一苦労なのが、中学生の実情。
その10倍以上の英単語数が一気に新しい教科書に入ってきます。
中学1年 1学期は、小学英語の復習内容が中心となります。
小学英語では様々な表現を「文法」として学びません。
中学英語で初めて「文法」として学びます。
しかし、中学1年で行う復習内容には、中学での新出単語も含まれてきます。
中学2年、3年は、高校内容で学ぶ文法の一部が中学に下りてくるため、おさえるべき文法も増加をします。
また現行の教科書で勉強を進めていくと新しい教科書とのズレ、学び残しもでてきます。
まとめ
4月から教科書が新しくなること、そして難しくなることが分かっているからこそ、この3学期が大切です。
中学1年・2年、小学6年は、将来を見据えて、計画的に復習をすすめていくことが大切です。
そして、春、素晴らしいスタート・ダッシュをしてください。
この3学期につけた自信は、その先の学習に前向きな気持ちを与えます。
新しい学年にむけての「準備」を、今、はじめませんか。