【一歩踏み出せ高校生4】夏休みの「高校生インターンシップ」のススメ

◆「後悔のない高校生活にしたい」なら、社会に飛び込む体験を


インターンシップを導入する高校が増えています。
もしかしてまだ「自分は進学するから関係ない」と考えていませんか。
高校生インターンシップは、大学進学を考えている人にとっても、卒業後の生き方を決める上でとても大切な経験となるプログラムです。

愛知県の私立高校の生徒だったT君は、「もっと積極的に行動できるようになりたい」「後悔のない高校生活にしたい」という思いから、一年生時にいろんな学校の生徒が申し込む公募型のインターンシップに参加。
最初は電車の線路の補修などを請け負う大きな建設会社、翌年には、自主的に中堅の住宅メーカーでインターンを経験しました。

「建設業界に憧れがあったのですが、立ち止まって進路を考え直すきっかけになりました」「現場を体験して、自分の興味関心と『働くこと』が必ずしも同じでないのかもと気づきました」とT君は語ります。

次は、航空・宇宙産業などに使われる精密部品の工場でインターン。
目の前で行われる機器の開発や製造と、学校で学んだ科学の知識が結びつきを感じ、夏休みには自ら『期待の分子量測定の実験』を行いレポートにまとめました。
教科書にある知識をどんどん深めていく面白さに目覚め「研究職になる」という新たな目標を見つけました。
宇宙への関心も高まり、全国から集まった高校生とともに研究発表する「日本天文学会ジュニアセッション」にも挑戦しました。

◆自ら挑戦した経験が大学受験にも役立つ時代

宇宙・航空産業の研究職を目指していたT君。
しかし高校3年になったとき、コロナ禍の影響により航空産業の会社は次々に事業の縮小を発表。将来への不安を感じたT君は、再度進路を考え直します。

「インターンや学校の外でのプロジェクトに参加して視野が広がったことで、時代の変化に敏感になったし、柔軟に考えることもできるようになったと思います。
社会を見ないで自分一人で考えていたら、本当に納得のいく進路を選ぶことは難しかったかもしれない」。

インターンや学外活動に挑戦したことでT君が学んだことは「人の役に立つ仕事がしたい」ということでした。
世界中の人がコロナウイルスに苦しむ今、ワクチンや治療薬の研究はきっと多くの人を救うのではないか-そう考えたT君は、名古屋市立大学の薬学部を受験。
推薦入試の面接では、経験のないことにも自ら挑戦し、自ら進む道を決めてきた経験も話し、そして見事合格。

偏差値や「なんとなく」の憧れだけで進路を決めるのではなく、実際に社会に出て、様々な現場で働く人たちと出会って自らの将来像を具体的に描いていく。
大学進学の目標を持つためにも、高校時代のインターンシップ体験は欠かせないものなのです。


一般社団法人アスバシ

https://asubashi.org


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この記事は2021年6月18日現在、一般社団法人アスバシの情報にもとづき中部電力が作成しています。

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