●大学に行かないと就けない仕事とは?
「みんなが行くから」「行けば何とかなる」という昭和の常識で進学すると、成長力ある若い時間を無為に過ごすのみならず、多大な負債を背負ってしまい、これからの変化の激しい時代に重荷を背負ってしまう恐れがあることをお伝えしてきました。
その中で「大学に行かなければできない仕事もあるのでは?」と思われた方もいるのではないかと思います。
では、大学卒業が「必須」となる職業とは何でしょうか?
「医師」「薬剤師」「獣医師」「教員」といった職業は、大卒以上でないと資格試験や採用試験が受けられません。
総合商社や大手上場企業など、大企業の中には大卒以上、という採用基準がある会社もまだ多いです。これをみて、日本まだ「学歴社会」と評する方もいます。
また、海外で仕事をするときのワーキングビザの要件に「大学卒業」が必要な国もあります。
まだ他にもあると思いますが、大学教育で学ぶことが必須という仕事は意外にも少ないのです。
●高学歴すぎると、賃金も低くなる!?オーバー・クオリフィケーション
「現在の仕事に必要な学歴よりも高い学歴を持っている人」を「オーバー・クオリフィケーション」と呼びます。
国連の機関OECDの調査によると、オーバー・クオリフィケーションの人の割合は、日本はなんと31%と最悪レベル。
しかも、仕事と学歴がマッチした人よりも15%程度賃金が低いのです。
日本は、世界平均からみても、無為に学位を取得し、それで損をしている国なのです。
なりたい仕事に就くために、本当に大学が必要かを考えて進路選択をすることの重要性がこのデータからも示されています。
高校卒業後、早く就職して技術と社会人経験を得た後に、大学にいって専門的な知識を学んで、先生や研究者という道もあるでしょう。
「いい就職のための大学進学」という常識はますます崩れていくでしょう。
高校時代に、インターンシップなどで様々な経験を積み、なりたい自分、貢献したい社会の分野を見つけること。それが後悔の無い進路を選ぶことにつながります。
【出典】
日本経済新聞「中小企業とは 日本企業の99.7%」
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO59317670Z10C20A5EA2000/
内閣府「人の活躍のための職業能力の育成」より「14.労働者の学歴とスキルのミスマッチ」P15
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この記事は2020年12月7日現在、一般社団法人アスバシの情報にもとづき中部電力が作成しています。